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第五話 アイルランドの宗教観

アイルランド人の宗教観というのは簡単に外国人が分析できるものではないと思うのですが、少なくとも私の友人で熱心に教会に通う人は一人もいません。でも カトリックの学校の厳しさや、ほぼ虐待に近いことが行われていたという話も直接体験者から聞いたことがありますし、離婚や中絶もほんの最近まで禁止されて いた。そういう複雑さはアイルランド人の毎日の生活に大きく影をおとしています。

 

そんな彼らの複雑な宗教観を表しているコメディがあります。「Father Ted」というコメディは英国でチャンネル4というTV局でアイルランド人の脚本家によって作られたシットコム(シチュエーション・コメディ)。クラギー 島という架空の島に住んでいる4人が主人公。教会のお金を着服してこの島におわれてきたテッド牧師。そしてまるで脳みそが働いていない、まるで5歳児みた いなドゥーグル牧師。極度のアル中で、素面な場面などほとんど登場しないジャック牧師。それから彼らの世話を焼く家政婦、ミセス・ドイル。この愛すべき キャラクターが毎回毎回、お腹がねじれるほど笑わせてくれる。それが「テッド牧師」なのです。

 

残念ながら日本で放送されたことはないのですが、DVDは日本でも入手することもできます。私が最初にみたのもDVDで、空港のCDショップで購入したの ですが、機内でショッピングバックからこのDVDを出して眺めている私に、隣の席の男性が「これ面白いんだよ、うんぬん、かんぬん」と話しかけてきたのを 今でも覚えています。それにしても、このDVD、アイルランドの言葉のリスニングのトレーニングになるばかりではなく、彼らの生活習慣、ジョークのセンス など本当に勉強になりました。まず言葉を聞き取るのにかなりの時間を要しました。そして次は言葉の一つ一つは聞きとれるのに「なぜこのジョークは可笑しい のか」という事を理解するのに、またかなり時間がかかりました。

 

このコメディはとにかく人気があって,アイルランド人では知らない人はいません。だからアイルランド人と共通の話題に事欠いたとき「Father Tedのあのシーン覚えている?」と話をふると大抵すごく盛り上がるのです。

 

さて写真はダブリンの郊外。道路の途中にある謎の教会みたいなオブジェ。おそらく昔は中に水が湧いていたのではないかと思われますが、のぞいてみたら現在内部はペットボトルやスーパーのビニールバックなどのゴミだらけ(笑)でした。